悪しき令嬢の名を冠する者
「皆! この場は任せる! 死ぬなよ」

「え……?」

「彼女は仲間だ。仲間は守る。危ない奴には任せてはおけないからね」

 切っ先を振い血を薙ぐベルナール。肩を叩かれ〝急げ〟と告げられたので、マリ―と共に彼の背を追い掛けた。

 行き先が分かっているかのように複雑な道を突き進んで行くベルナール。重いドレスに足を取られそうになりながら、私は息を切らした。
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