不器用な暴君社長
section3



気がついて目を開けると、服がはだけて、身体に力が入らなかった。


そして、何故かソファの下で正座して、社長がブツブツ何かを言っている。



…もしかしなくても…私…


社長とやっちゃった?




「しゃ、社長…」


私が呼ぶと、社長はビクッとして振り返った。



「わ、悪い…



でもお前が煽ってくるのが悪いんだぞ。」



やっぱりしたんだ…



初めては好きな人とって決めていたのに…


ポロポロと涙が溢れてくる。


「初めてだったのに…」

思わず、声が漏れてしまう。



「…泣くな…



俺が悪かった。



…ただ、俺はなんとも思ってないやつとなんかやらない。


それに…」






あの暴君社長がしどろもどろだ。

いつもの俺様が無くなっている。




「お前が……だ!」



「ふぇ?」



なんて言ったのか、聞こえなかった…



「お前が好きだって言ったんだよ!


なんとも思ってない奴のことなんか抱けるか!」






八つ当たりみたいに言われた。


だけど



本当に?





誰でも良かったって訳じゃ無かったんだ…


< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop