溶けろよ、心
11.すれ違う心



翌朝、私は町田くんと一緒に東京行きの電車に乗っていた。

「ねえ、よかったの?学校サボっちゃって」

今日はまだ金曜日で、学校はある。
それなのに、町田くんは今日東京へ行くと言う。


「それは、橘には言われたくないね」

うう……ごもっともです……。


「ははは、うそうそ。別にいいでしょ、サボるくらい。非行に走ってるわけでもないし。

サボれるのが学生の特権なんじゃない」

「そ、そうなのかな……?」

町田くんは、案外呑気そうだった。



「あの、怒ってますか?メール返信しなかったこと」

「あー……怒ってますね、はい」


町田くんが、恐ろしい作り笑いを浮かべる。

や、やっぱりーー!

私は頭を抱えた。どうしたら許してもらえるだろう。


と、私が怯えていると、町田くんが慌ててフォローしだす。

「だから嘘だって!!」
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