誰からも愛されない

✛✛連れて帰る


忍さんは、いつの間にか
会計も済ませて、
お店の別なドアから外にでた。
誰にも会うことなくて
助かった。

車に乗っても忍さんは
私の手を繋いだまま
車を運転していた。

運転しづらいのでは
と、思うが
「繋いでいたいから」
と、先に言われて
コクンと頷いた。

快適な車の中
泣いたこともあり
旅の疲れもあって
眠ってしまった。

温かなぬくもりに包まれている
感覚に彩心は深い深い眠りに落ちていった。

忍は、車の中で寝てしまった彩心を
自宅に連れて帰った。

彩心のマンションを知らないわけではないが
今日の彩心を一人にしたくなかったから
連れて帰り彼女を自分のベッドに寝せ
抱き締めた。

彼女が自分にすり寄ってくるのを
嬉しく思いながら
顔がにやけていた。

まあ、彼女は暖かさを
求めただけなんだろうが。

彩心の頭を撫でてから
シャワーを浴び
部屋着に着替えて
再びベッドに入り
彩心を抱き締めて
目を閉じた。
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