誰からも愛されない

✛✛皐の思い


彩心は、年末の勤務が終わり
故郷に戻った。

空港に着くと皐さんがいて
思わず、皐さんに飛びついた。
「おかえり、彩心。」
「·····たっだ·····いま····っ」

その日、皐は彩心に何も言わずに
彩心の好きな用にさせた。

彩心は、安心したのか
人恋しかったのか
皐の膝で沢山泣いて寝てしまった。

皐は、彩心頭を撫でながら
どうしてこの子は、
いつも悲しい思いを
しないといけないのだろう

生い立ちだって
結婚生活だって
この子は、何も悪くないのに。

内のバカ息子が
一番悪いんだけど。

でも、こんな風になったことは
一度もなかった。

忍君を本当に愛していたんだろう
忍君の立場や秋山の家の事を考えて
身を引いたのだろうと予測できた。

だが·····
忍君、本当にいいの?
そんな事で、彩心を手放すの?

皐は、彩心をそっとソファーに寝せて
タオルケットをかけ
自分の分も持ってきて
彩心がいつ目が覚めても
寂しがらないように
ソファーの下に寝ることにした。
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