朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


「? それは、なんです?」


「雅(みやび)くんの口癖だ。それに、衛くんは返した。『真実を否定してもしょうがないなら、真実を歪めるまでだ』。……あの子たちらしい答えだよ。それが、十三の答えだった」


「………」


「流夜くんは少なからず、十三の影響を受けている。真実を歪めることだって、彼の中では可能だろう。……普通の子なら、抵抗を感じるかもしれないけどね。十三の答えは、世界に背く言葉だ」


「……そういう、子たちですね」


「ああ。……咲桜も、そういう考えになれれば……と思うけど……。今は、声を聞くことも拒否している。……生きることを、拒否している」

< 168 / 295 >

この作品をシェア

pagetop