朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】


笑満が頑を張ったら、頼には止められないだろう。頼は何かを主張するの、自分の欲に添うもの以外は苦手だ。


つまり写真撮らせろと迫る以外は、自分の行動で貫くことはない。
 

頼の中で、たぶん私と笑満は天秤で釣り合っている。


私の頼みを優先出来なかったし、笑満を無理矢理止めることも出来なかった。
 

ほんっと、自分を持ちなさいとまた説教しなければ駄目なのかな。


……強すぎる自我の持ち主だとは認めるけど。


「咲桜……」
 

小走りでやってきた笑満が足を進めて、私の両腕を摑んだ。


その瞳に、まだ姿の見える場所にいる司くんの姿は薄い。


……あんな目立つ人が目に入らないくらい、動揺している。


「あ、あたしの所為で……あたしのために何か、しようとしてるよね? 教えて」


「………」
 

はじめから、笑満を欺けるなんては思っていない。


一時的に、決戦の場になるところから隔離していよう、って指示があって同意したけど。

< 35 / 295 >

この作品をシェア

pagetop