朧咲夜5-愛してる。だから、さようなら。-【完】
笑満が頑を張ったら、頼には止められないだろう。頼は何かを主張するの、自分の欲に添うもの以外は苦手だ。
つまり写真撮らせろと迫る以外は、自分の行動で貫くことはない。
頼の中で、たぶん私と笑満は天秤で釣り合っている。
私の頼みを優先出来なかったし、笑満を無理矢理止めることも出来なかった。
ほんっと、自分を持ちなさいとまた説教しなければ駄目なのかな。
……強すぎる自我の持ち主だとは認めるけど。
「咲桜……」
小走りでやってきた笑満が足を進めて、私の両腕を摑んだ。
その瞳に、まだ姿の見える場所にいる司くんの姿は薄い。
……あんな目立つ人が目に入らないくらい、動揺している。
「あ、あたしの所為で……あたしのために何か、しようとしてるよね? 教えて」
「………」
はじめから、笑満を欺けるなんては思っていない。
一時的に、決戦の場になるところから隔離していよう、って指示があって同意したけど。