****秘密のお姫様****
やっぱり無理だ。

あげられないーー。


咲は誰にもあげられない。


小さな時から咲だけを

"想ってた"ーーー。


例え、咲が俺を兄貴にしか見えなくてもいい。


だけど、咲と一緒に居たい。

それは、わがままかな?



ドンドン!!!


がむしゃらに叩いた倉庫のドア。

側には、爽のバイク。


まだいる。

中に、咲がいる。



「総長、どうしたんすか?」


少し上ずった仲間の声。


なんだ?


「爽いるか?咲に会いに来たんだ」



「いや………爽さん達は、いるっちゃ居るんですが………」


なんだ?

俺は、無理矢理倉庫に入る。


「ちょっ、総長!!今は!!」


仲間の声なんて聞こえない。


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