****秘密のお姫様****

**捨てられた子犬**

冬の家まで来て、まだ悪い気がして玄関で足を止めた俺に、冬はーーーー



「捨てられた子犬みてー。
おい、ポチおいで!!」


と、言った。


「あん?ポチじゃねーよ‼
早く飯作れよ‼」


人の家なのに豪快に靴を脱ぎ、飯はまだかと威張る。

俺は、亭主関白な親父か。

だけど、ポチはまじ許さねー。

冬が飼い主なら、即放置プレイであの世ゆきだわ。


「今、作りますね‼
ごめんなさいっ」


怒鳴られたと勘違いした、えみちゃんは肩を震わせた。


「えみ、怖がるなよ。
こいつ顔怖いし、口悪いけど怖くねーから」

なんか、スゲー言われよう。

少し、腹立つ俺。


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