秘書課恋愛白書
社長の告白



***


「うわっ!…きゃっ!!」


お姫様抱っこをされていた体がいきなり柔らかいそこへと落とされた。

訳もわからずに連れてこられたのは社長の自宅。

いつの日か来た社長の自宅にたじろぐ。


車を降りた時からずっとお姫様抱っこでそんな状態にも関わらず車に同乗していた灰田さんも何も言わなかった。

ニコニコと笑顔で私たちを送り届けてくれて去っていく車を見送ることなく私を抱っこしたまま社長はエントランスをくぐったのだ。

無言で威圧的な態度の社長に何を話しかけても何を言っても無視されている状況が続いていた。

先日来た時には入ることのなかったリビングのソファーへと降ろされバクバクと心臓は鼓動を急速に打つ。


「あ、あの…っ社長?」


社長には聞きたいことがたくさんある。


なんで社長はあそこにいたの?

なんで急に私たちの前に現れた?

なんであんなこと言ったの?

なんで社長の家に連れてこられた?


なんで…

押し倒されてるの?!

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