**零れる涙**
インターホン鳴らした瞬間、ミシリミシリと歩く音が聞こえた。

ドアに人影が、小さな影。


「いらっしゃいっ、よく来たね」

シワシワの手皺。
小さな体。

「おばあちゃん、こんにちわ」


良かった。生きてここに来れて良かった。

「なんもないとこで、ごめんなさいね」

……そこは否定出来ない。


ごめんなさい、おばあちゃん。

「こんにちわ」

優しい青年雰囲気を放つ、進くんはおばあちゃんに優しく微笑んだ。

「あら、カンナちゃんにこんな素敵な人が、、
おばあちゃんは、嬉しいよ」


おばあちゃんは、優しく微笑んだ。

私達は、おばあちゃんの家に入ると居間に来た。

仏壇に笑うおじいちゃん。

その写真を、愛しそうに眺めるおばあちゃんは、乙女だ。

亡くなった今も、おばあちゃんは
 おじいちゃんが好きなんだ。


それって、物凄く素敵。


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