**零れる涙**
君に出会い世界が、広がった。


冷たい廊下を歩いた。


消灯は、とっくに過ぎてーー、朝陽が昇るのを見ていた。

朝が来て、陽が翳り夜になるのが当たり前過ぎて、気づかなかった。


俺達の未来が曇った瞬間ーー。


色のない世界が広がった。


君と過ごす世界が、色褪せた。


「カンナ……」


閉鎖病棟の隔離部屋に、君がいた。



一人ぼっちの君が、俺を見ていた気がした。


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