**零れる涙**
忘れるわけない………


明後日、学校へ行けば君に会うだろう。

その時、私は………普通に接することが出来るかな?


私と貴方は隣り合わせ。


話さないなんて、無理でーー。


本当、どんな顔して君に会えばいい?


私は…君に会うのが少し怖い。


でも、きっと君は笑いかけてくれないだろう。

話してはくれないだろう。


関わるな、と言われたんだ。

突き放された。


突き放した残酷な言葉が私を痛くさせた。


「カンナ、おかえりっ。大丈夫、どこも痛くない?」



お母さん………

知的な長い黒髪に、真面目なまでの黒メガネ。

見た目、厳しそうと言われるけど優しい母親。

父親のいない私を、ここまで育てた才ある母親だ。

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