♥バレンタインの奇跡♥
3人だけになったテーブル。
一気に緊張感が増す。

チャンスは良いけど、一体なんて話を切り出せば…。

ストレートに“連絡先教えて?”
いきなり?いきなりすぎ?
あーーどうしよう!
こんな迷ってるうちに桃子が戻って来てしまうー!


どうしよー!と、頭を抱えていると、永久子さんが口を開いた。

「結人くん、連絡先交換しましょ」

サラリとそう言う永久子さんに、ズッコケそうになる。

す、凄い。
なんてストレートなんだ!


「ね、彩乃ちゃんも。お互い知ってたほうが仕事の連絡がある時とか絶対便利よ~」

と、肘で私の脇腹を小突く。

っ、永久子さん私のために言ってくれたんだよね…。
絶好のチャンス!逃すわけにはいかない。私も勇気を出すんだ!


「そ、そうだね!結人くん、もし良かったら…」

ヤバ…緊張でちょっと泣きそうになる。


「いいですよ」


…!


ほんと…?
今、いいですよって言った?
言ったよね!?

やったあぁぁーー!!
連絡先ゲットー!!
きゃあーーー!!!


永久子さんナイス!ありがとう!ほんとにありがとうございます!!
とんこつラーメン絶対奢ります!感謝!


チラリと永久子さんを見ると、パチンとウインクをした。


その目は、“絶対奢るのよ”

と、言っているように見えた。
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