♥バレンタインの奇跡♥
そして…

あっという間に上がりの時間がやってきた。


結人くんの姿が目に入り、一気に緊張のようなよくわからない感情がドッと襲ってくる。

なんでこんなにドキドキしてるんだろ…なんか、おかしい。

だけど、いつものようなドキドキじゃなくて。
モヤモヤしてるドキドキ。



結人くんと…“話したくない”。



「お疲れ様です」

「あ…お疲れ様」

いつも通り笑顔で挨拶してくれた結人くん。
だけど私はどうしても笑顔になれなかった。
ちゃんと見ることすら、できなかった。

ほとんど目も合わさず、かなり素っ気ない感じに挨拶すると、私はそのまま歩き出した。



ドクンドクン…心臓の音が耳に響く。



…私最低。
何やってるんだろ。

いつもなら少し雑談するのに、今日は…どうしても話したくなくて避けてしまった。


バカみたいだ。
勝手に嫉妬して、勝手に怒って、最低な態度とって…。

どうして笑顔でいつもみたいにできなかったんだろう…。
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