恋のかたち。〜短編集〜

「それで話って？」



真は電子レンジで温められたお皿のラップを外しながら言う。



「食べながら聞くんかい！」


「悪い。お腹すいてるんだ」


「いや、問題ない。それで話というのはだな…」



と言ってから、柊羽はなかなか続きを言わない。



「なんだ？」



と真は促してみた。



「うん。明日土曜日だから。今日言おうと思ってだな」


「それで？」



食べていた箸を置いて柊羽の方をしっかり向いた。



「俺たち付き合うことになった」


「やっぱり」


「え、わかってたのか？」



真面目な顔して問うてくるので吹き出しそうになる。



「逆にそれ以外あるか？」


「私は別に明日でもいいんじゃないかーって言ったんだけど、柊羽が今日じゃなきゃ嫌だって言うから…ね」



相原の顔を見てみると少し赤くなっているのがわかった。



「どっちから告った？」


「俺からだ」


「良かったじゃん。おめでとう」



真は箸をまた持って少し冷めたご飯を食べ始めた。



「なぁ、真。真の好きな人は、誰だ？」


「んー、秘密。俺が言うとその人に迷惑がかかるから」


「真。もしかして、好きになっちゃいけない人好きになっちゃったの？」


「まぁ、そんなとこ？」



冗談めかして言ったので、互いに笑い合った。
真にはこの距離がちょうど良い。ベストだ。


それに、2人が結ばれて本当によかった。


心からそう思っている。