あなたと私と嘘と愛

けど優斗は顔色一つ変えなかった。
むしろ清々しく起き上がり、そのことには触れることなく私に笑いかけた。

そしてその笑顔は今も変わらず私の前に。
いつの間にか優斗がいるこの空間が当たり前になっている。
そして母がいないことも当たり前になっている。

はたから見たら異様な生活だけれど、毎日彼を独り占めできるこの環境は正直嬉かった。

それに母はあの旅行以来一度しか顔を見せず、温泉をドタキャンしたことも少しも詫びることもなかった。

なんて無責任な…と怒りを覚えたがそれが母なのだ。
何を言っても無駄になる。

そして暫くは平穏な日々が流れた。

私と優斗は家事を分担し、今まで以上に打ち解けた生活を送っていた。
やっぱり彼は違う。
今まで母が連れてきた人とは全く違う。
誠実だし、一緒にいて不思議だがとても安心する人。
特に変わったことはないけれど、それは穏やかで笑いがある毎日。
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