あなたと私と嘘と愛
母と代償

それからの記憶は曖昧で、夜中に目を覚ました私はゆっくり辺りを見回した。

いつの間にか電気が付いている。間接照明の光に気付き停電が復旧したのだとすぐに理解した。
そしていつ移動したのだろう…
私がいるのはベッドの上だった。

ゆっくり起き上がると、隣で寝ている優斗の存在を確認し、ボアっと一瞬で恥ずかしさが込み上げる。
しかもよく見ると仲良く手まで繋いでいる。

毎度のことだけどすごく照れ臭い。
隣で眠る綺麗な優斗の寝顔を見つめながらその姿にキュンとくる。

本当に日本人離れしてると思う。
ハーフのような整った顔立ちを改めて眺めていたら昨日の行為をまじまじと思い出した。
この目の前の唇にキスされた…とか。
握られてる骨張った長い指先に熱く絆されたのだと思ったら再び全身が火照りそうになる。

子宮に感じるどことなく鈍い違和感は彼との行為が夢じゃないことを物語っている。

しちゃったんだ…
優斗と…と、再確認した瞬間ドキドキと様々な感情が押し寄せる。
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