Affection~これがオレの全て~夏ver.
オレの罪


青春真っ只中のオレは


6つ上のキミに恋をした


好きで 好きで たまらなく好きで


どうにかして キミを手に入れたくて


いっぱい背伸びをした


クソガキの努力は実を結び


キミは根負け!?


オレはキミを手に入れた


将来のことなんて考えられなかった


今目の前のことと 自分に精一杯で


ただ キミと一緒にいたい


それしかなかった


好きだから ずっと一緒にいるものと思ってた


でもそれは違った


キミはオレよりも大人だった分


先のことを見据えてた


だからオレに 自分だけにとどまらず


もっと広く辺りを見渡してほしいと言った


でも少年には その言葉は


「さよなら」


に聞こえた


きっと 好きなヤツが出来たんだと


だからオレは 


オレは


キミが


自分のものにならないのなら


いっそのこと死んでしまえばいいのに!とそう思った


本気じゃなかった でも


そしたら ホントに キミは


二度とオレの手の届かない所へ行ってしまった


オレのせいでキミは


独り淋しいベッドの上で


過酷な闘病生活を強いられた


あんなにいっぱい いっぱい頑張ったのに


まだ夢も やりたいこともたくさんあっただろうに


神様ってヤツが!?彼女を連れて行ってしまった


オレのせいで


オレを戒める代償として


彼女を連れて行った


オレの卑しい 醜い心を改めさせたいなら


オレの命を持って行けばよかったのに


あんたは 一番大切なものをオレから奪って行った


これがオレの償い?


これがオレの罪


望んでも 望んでも二度と逢えなくなった


まだまだ青いオレに


たくさん経験を積んで


そして男「大人」になったら一緒になろうと


そう伝えたかった


あとになってから分かるなんて


そんなことも分からなかったなんて


あれは さよならではなく


約束だったんだ


オレはあれからひたすら泣いた


声を張り上げて泣こうと


暴れまわろうと


キミが戻って来るはずはないのに


オレはひたすら泣き続けた


キミの笑顔しか思い出せない


笑顔しか見せなかったキミ


あれから随分長い月日が 時間が流れた


そして 色々と恋のようなものをして来たけど


キミ以上の人には巡り会えない


愛せない


きっとまだ オレは罪を償えてないのかな


今なら分かる


誰もいなくなった病室で


キミは死と向き合いながら


生きたい!と


そう願って独り泣いていたことも


今ならキミの全部をオレは抱き締められるのに


もうそのキミはここにはいないよ


こんなに淋しい 虚しいものはない


あの時胸に浮かんだ言葉


消せるなら消してしまいたい


オレの罪


ごめんね?


分かってあげられなくて


そして


分かってるよ?


今度はちゃんと前を向く


キミと自分と未来と向き合いながら


オレは歩いて行く


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