月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「はぁはぁはぁ……」

皮膚がジリジリと焼ける。

咽が異常に渇く。


歩いても歩いても、砂の世界。


「何なの?ここ……」

やけに足を取られる。

それが、やけに現実味を滲ませた。

「どこまで行けばいいの?」

果てを知らないその世界。

上を見上げれば、太陽が生まれて初めて、大きく感じた。


体に力が入らなくて、ふらっとした後、その場に膝を着いた。

「私、このまま死んじゃうのかな。」

そう呟いて目の前に、倒れこんだ。

全身が暑い。

上からも下からも、体を焼かれている気がした。


砂から湯気が出ている。

おそらく砂に含まれる僅かな水分まで、その暑さは奪っているのだ。

「もうダメだ。」

目がトロンとして、開いていられなかった。


死を覚悟したその時だった。

遠くから動物の鳴き声がした。
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