月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
きらびやかな宮殿
社員旅行2日目も、無事終了。

私達はホテルに戻ってきた。


「あ〜今日も満足の一日!」

背伸びをしているときわは、晴れ晴れしている顔をしている。

そりゃそうだ。

あれだけの男性を従えて、逆ハーレムをかましているときわが、満足しないわけがない。


「で?光清とはどうだった?」

同じ部屋の離れた場所で、膝がガクッとなる。

「どうだったって……」

「途中いい感じになったじゃん!ほら、金閣寺の山の方に登っていった時?」

ときわは、ワクワクした顔でこっちを見る。

「何で知ってるの?」

「後ろから見てたから〜」

「だったら助けてよ。大変だったんだから。」

「光清がいるから、心配ないかと思った。」

ったく。

ホント呑気なんだから、ときわは。


「で?何が大変だったの?」

さりげなく聞いてくるときわは、すごいと思う。

「あのさ。嘘だって思わずに聞いてくれる?」
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