手をつなごう

乙樹は日差しに目を細めている。

「愛していない人間と旅に出てはいけない」

「by アーネスト・ヘミングウェイ」

知っていたらしい。流石、成績上位者なだけある。

わたしも空を見上げる。青が目に飛び込み、自分も青くなるんじゃないかと思った。

ふっと校舎の影に入る。

その青が鮮明になり、思わず手を伸ばした。

「今日の空、とても青い」

「昨日の空も青かったよ。何してんの?」

「手が届くかなと思って」

乙樹に伸ばした手が掴まれて引っ張られる。

「どうしたの?」

「澪が飛んで行かないように」

手をつないで行こう、と笑った。



手をつなごう END.

< 20 / 20 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ほしうらない
鯵哉/著

総文字数/13,473

恋愛(オフィスラブ)53ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
いつも物語は 自分を軸にまわっていなくて いつになったら あの星みたいになれるのだろう
嘘八百
鯵哉/著

総文字数/20,590

恋愛(ラブコメ)80ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
出会いは嘘だらけで 付き合いも嘘だらけで 何一つ どこにも 本当はないのに 「フードファイター」 「まじか」 あなたのことが 忘れられない 試運転 20250101
a Piece of Cake.
鯵哉/著

総文字数/35,145

恋愛(純愛)135ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
空腹を満たすこと。 話を聞くこと。 笑顔にすること。 傘を差し出すこと。 君を愛すること。 そんなの全部、簡単なことだ。 君から愛されるよりずっと、 簡単なことだ。 試運転20230430〜

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop