替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
テレジアは、一時間程で戻って参りました。
彼女は魔法使いですから、魔法で行きたい場所に一気に飛べるのです。



「……どうでしたか?」

「はい、王女様。
まず、ガザン王の末裔は、本当にガザン王家の血を引く者だったようです。」

「ガザン王家の末裔がみつかったのですか!?」

「はい、その通りです。
その者は、名をマリウスと言い、ガザンの国を再興すると申していたようです。」

「ガザンを…!?」



ロバートをガザンに派遣したのは、正解だったようです。
シャキアがマリウスと同行しているのなら、彼らは再興のためにガザンに行くはずですから。



「テレジア…本当にありがとう。
そして、この件はどうか内密に…」

「はい、心得ております。」

「もしもまた私に似た者をみつけたら、ぜひ知らせて下さい。」

「はい、シャルア様。」



少々疲れましたが、良い情報が聞けて、私はほっと安堵しました。



(シャキア……もうすぐ会えますよね…)



疲れた私は、いつの間にか眠りに就いていました。
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