替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
なんだか、漠然とだけど…フェルナンさんの気持ちがわかったような気がした。
フェルナンさんは、もうきっと私達の前には姿を現さないだろうってことも。



「どう思われますか?
あなたは、フェルナンとは何度か会われたことがあるのですよね?」

「は、はい…
その…ルーサー様はフェルナンさんとどのようなお友達なのですか?」

「それは……」

ルーサーさんは教えてくれた。
フェルナンさんがシェザーというゲームの達人だということ、シェザーを介して知り合い、それ以来、とても気が合い、ヴァリアンに引き留めて、舞踏会も一緒に来たことを…



「……そうだったんですね。」

「シャルア様は、ガザン王を通して、フェルナンと知り合われたのですよね?」

「は、はい、その通りです。」

「ガザン王は今日来られてますか?」

「はい、来られています。」

「ガザン王にもお話をお聞きしたのですが…
フェルナンがこんなに急にいなくなってしまうことが、私にはどうしても信じられないのです。
舞踏会の時までは、特に変わった様子もありませんでしたから。」

ルーサーさんは、心の底からフェルナンさんのことを心配しているようだった。



「レベッカ、マリウス様をこちらへお呼びして下さい。」
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