こんな恋愛求めてない!
前世の恋人
【1】平凡女子×人気イケメン俳優


私は中学3年生の暖易 陽和(だんい ひな)です!
成績も普通、運動神経も普通、なにもかも超絶普通で…。
でもまあ普通に学校生活遅れてるからいいんだけど!
昔読んだ本や観た映画で独特な恋愛観にハマってしまい、憧れてしまいましたー!

でもでも普通だと思ってたのは束の間でした…。
国語の授業を受けていた時。
「いくら有名でも困りますよ!」
という先生達の声。なんだろう?とか思ってたけど授業に集中したかったからノートとってました。
そしたら、私のクラスの3年2組の扉が開いたのです。そして、室内を歩き誰かを探してる様子。
「きゃーーーっ!!」
と響くクラス女子の声。
「えっ、何?誰?」
と後ろの席の男子に聞くと
「お前知らねーの!?俳優の秦 大翔(はたの ひろと)だぜ!?すげー有名なんだよ」
「えっ?知らなかった…」
そうなんだ、有名なんだーって思ってたら!私の前でいきなり止まったの!
「君、名前は?」
と笑顔で聞かれたから
「…えっ…暖易 陽和です…」
というと、いきなり手を掴まれた。
「えっ!?何!?引っ張らないでください!」
「きゃあああ!!なに!?陽和ちゃん大翔様とそーゆー関係だったの!?」
と女子。
私は訳の分からぬままその俳優さんに手を掴まれ引っ張られ。ついに校外に出てしまった。
で、なんかリムジンみたいな車に乗せられた。
「なっ…!?ゆ、誘拐!」
と大きな声で叫ぶと、その俳優さんは言った。
「うるせーなー、ちったぁ黙れよ」
!?!?
さっきのキラキラした笑顔はどこへ!?
すると、肩を掴まれた。
「!?」
ビックリして目を丸くすると、彼は衝撃発言をした。
「お前、俺の前世の恋人だ」
と。
んん?なんの冗談だろう?
こんな展開、漫画でも映画でも見たことないよ…?
「なんの…冗談ですか?」
「あ?俺は冗談は言わねぇ主義だ。覚えときな前世の恋人」
なんなのこのひねくれた性格────!?
やだやだこんな恋愛求めてない!
「一体、そんなのどこに証拠があるんですか!?私知らないんですけど!?」
「知るはずもねぇだろ。俺はただ前世の記憶が残ってるっつぅ訳なだけなんだよ」
うっ、何それ?意味わかんない。
前世の記憶が残ってるって、なにその漫画みたいな…。
「で、君が恋人だったから追跡したらこーなったわけ」
「なんで、もっと違う人でいいじゃないですか…?」
「やだね。俺は前世と同じ女としか付き合わねぇ趣味だ」
ええ…何それ…。
「だから…………」
「え?」
「────俺と、付き合ってくれないか、暖易 陽和」
…?
夢かな?夢だね?夢なんだー。
頬をつねる。痛い…。
夢、じゃないだと!?
なにそれ!?何この展開!?誘拐されて告白とかシチュエーション変じゃない!?
「あの…映画なんかの予行練習ですか…?」
震えながら言うと
「んなわけあるかっての。つーか俺の今の性格が本性、お前と家族にしか本性見せねぇっての」
そんな、知り合ったばっかの人に本性出しちゃっていいのかなぁ…。あ、でも私のことは前世から知ってるんだっけ?
「テレビとかでもあれは猫かぶってるだけだ」
んー、あなたをよく知らないから猫かぶってるかどうかも知らなかったんですけどね…。でも何となくわかるって言うか…。
「じゃ、付き合うってことでよろしく」
「え!?私の決める権利は!?」
「ねぇよ、んなもん」
「はぁあああぁあぁぁ!?」

The 普通☆な生活は私の前からたった今、消えました。
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