みんとキャンディ
恐る恐る後ろを振り向いた聖梨に、



「皇兄は高原家の主婦だから」



にっこり微笑む藍楽。



追い付かない頭の中を必死にかけ巡らせながら、



聖梨は、どんどん崩されていく理想の王子様を見た。



やっぱり見た目は申し分なく理想系。



しかし……、



オプションが頂けない……。



複雑な心境で立ち尽くしている聖梨に、



「手伝えデカ女っ。その為に来たんだろうがっ」



こう言って手伝いを催促する。



雄楽と藍楽もいつの間にか、それぞれの役割に向かって姿は無かった。




こうして王子様と共に洗濯物を畳むことになった聖梨。




家事は嫌いではないし、それなりにもこなせる。



しかし、



「アイロンがけするヤツはこっちに固めろ。タオルと下着類はまとめて洗面所に持っていくから」



さすがに主婦には頭が上がらなかった。



捻挫しているとは言え、テキパキと洗濯物を畳みながら畳んだ洗濯物をキレイに分類する。




流れるようにこなされていく皇楽の手元をただ呆然と聖梨は見つめるのだった……。



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