みんとキャンディ
「デート? ……多分明日の休み辺りはデートじゃないかなぁ? 皇兄が珍しくソワソワしてたから」


「…………」



藍楽がこう言うものの、聖梨には今日も皇楽はいつも通りに不躾でぞんざいだった。



妹だからこそわかる兄の変化だとしたら……。



どうやら皇楽は例の彼女とのデートを浮かれる程楽しみにしているらしい……。



「……はぁ」



小さくて華奢で可愛い。


いずれも自分に当てはまらず、自分が欲しても手に入れることの出来ないものばかり……。



知らない女の子に惨敗確定の片想いは未だ冷めやらず、聖梨は切なげにため息をついた。



「なんだったらさ、明日……尾行してみる? 皇兄のデート」



すっかり憂い顔の聖梨に、藍楽が何やらニタつきながら話を持ちかける。



確かに、どんなお姫様が皇楽の彼女なのか気にならないと言えば嘘になる。



しかし、




「だって……デートしてるとこなんて見ても……」



余計に虚しくなるだけ。



それがわかってるだけに、藍楽の話には頷きたくなかった。




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