いつか、眠るまで








驚いたように言う彼。



気づいてないとでも思ってたんだろうね。
バレッバレだよ。



「暗くない?」



言葉も、顔も。
全部。



一応 彼女なんだし、頼ってほしい……

って、何思ってんの、私!



「バレたかぁ…でも、大丈夫。大したことないから。」



こういう人に限って大したことあるんだよね。



「いいから、言ってよ。」



一応 彼女なんだし、頼ってほしい……



って、だから私は何思ってんの!



「…わかった。でも、本当に大したことないからね?」



「いいよ。」



彼は そう言ってゆっくり息を吸い込む。



「実は、」



そのとき、喉の奥でごくりと音が鳴った。







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