いつか、眠るまで








「私、舞に言ってんだけど?」



だんだん、わかってきた。



「俺には?何か話すことある?」



楠木くんには、冷たく接するのが一番かもしれない。



「ううん、全然ない。」



きっぱりと言い放った。



それを見かねた舞が、人混みの中から外れた。



私がそれに気づいたのは五分後。



「舞、りんご飴の屋台、今年少なくない?」



そう聞いても、返事は返ってこない。



「……舞?」



楠木くんの隣にいるはずの友達がいない。



「楠木くん、舞は?」







< 54 / 249 >

この作品をシェア

pagetop