イジワル専務の極上な愛し方
はっきり言われ、すぐに返す言葉が見つからない。

それは、戸惑いや困惑からではなく、胸が熱くなるほどに嬉しかったから。

溢れる温かい想いを噛み締めて、そっと彼の胸に顔を埋めた。

「そうですね。祐一さんの言葉を、気にかけないようにします。私の心は、翔太さんだけのものですから」

いつの間に、翔太さんがこんなに愛おしい人に変わっていったんだろう。

それはきっと、翔太さんの本当の顔を見ることができたから。女性関係が派手で、軽い人なのかと思っていた。

でもそれは、私の誤解だと知ることができて、どんどん彼に心を奪われていく……。

優しく抱きしめ返してくれた翔太さんが、静かに言った。

「彩奈って、本当に可愛いよな。俺が期待する反応ばかりする」

「え？　それはどういうことですか？」

思わず彼の体を離して、少し唇を尖らせた。だって翔太さんの口調が、ちょっとからかい気味だったから。

すると、クスッと笑った翔太さんが、優しく私の唇に触れた。

「素直で可愛いって意味だよ。彩奈は、俺の秘書として異動してきてから、まるで飾りなく接してくれる。そんなお前に、惹かれて惹かれて仕方がない」

「翔太さん……。なんて言っていいのか……」

気恥ずかしさもあり、嬉しさもあり、うまく言葉にできない。そんな私を穏やかな目で見つめた翔太さんは、ゆっくり顔を近づけてきた。

「キス……して寝ようか。明日も、仕事を頑張らないとな」

「はい……」

目を閉じると、彼の柔らかくて温かい唇が重なった。翔太さんの温もりを感じていると、心から安心する。

今夜からずっと、私の隣に翔太さんの温もりがある。本当に、続いていけるのかな……。

幸せを感じるのに、どこか怖い……。
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