生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「お互いが午後一番の授業がないのを分かっていて、ここへ連れてきた。」

将人は私に近づきながら言った。

「…夜8時に会うって福田先生に伝えたんだけど…。」

「えっ?何のことだ?」

将人は不思議そうな顔をする。

「だって福田先生と私の事で連絡を取ったんでしょう?」

「いいや、そんな事はしていない。大体俺はまだ福田先生の連絡先を知らないからな。」

これはどうやら福田先生にまんまとはめられたようだ。

横田先生から聞いた話でああいう判断を福田先生はしたんだ。

「朝弥、やっぱり俺達はちゃんと話し合わないといけないと思う。」

将人が椅子に座るように、私に勧める。

そして少し離れて将人はこちらを向いた。

「朝弥、あの日は本当に済まなかった。まずは謝らせてくれ。」

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