生真面目先生のちょっと大人の恋の話
あれからなかなか誠意を認められなかった宏弥が、やっと結婚にまでこぎつけたのだ。

「やっと横田もこの日を迎えたな。」

福田先生は感慨深そうに笑顔を見せる。

「でもなぁ…。」

福田先生はそう言いながら、私を見た後で将人に意地悪な笑みを向ける。

「結婚式は宏弥が先で、子供は一ノ瀬先生が先なんてな。」

将人が私の少しふっくらしたお腹に横から伸ばした手を当てた。

「ははは、生真面目な朝弥らしくはないけれど、何だか俺らしいでしょ。」

豪快に笑う将人を私は睨む。

「おかげで子連れ結婚式になってしまいそうです。」

私は恥ずかし気に答える。

「ちょうど結婚式の予定を立て始めた時に、妊娠が分かって…。私はもう籍を入れるだけで良かったんですけどね。」

私の左手の薬指には結婚指輪が光る。

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