生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「私も気分転換にまた来ますね。」

私は気分よく保健室を出た。

学校中でここが私の一番の癒しの場所だ。

嬉しい事があっても、へこむ事があっても、ここへ来ているような気がする。

中央職員室に戻ると、もう残っている先生方も少なくなっていた。

明日からの本格的な準備の為、今日は早く帰る先生も多い。

私も帰る準備をすると、挨拶をして学校を出た。

「朝弥。」

私の名を呼ぶ声に振り返る。

「あら、宏弥。どうしたの?」

車の運転席から出てきたのは、さっき福田先生と話題になっていた宏弥本人。

「今、帰りでさ。今日は出動があって疲れたから、お前でも誘って夕飯をどこかで済ませようと思ってさ。」

「お疲れ様。少し時間が早いけど、何が食べたい?」

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