生真面目先生のちょっと大人の恋の話
3
「ああ、油断して食べ過ぎたな。」

私は翌朝、洗面台の鏡の前で胃をさする。

さすがに30歳を迎えた身体はこうして時々胃もたれをするようになってきた。

しかも一緒に行った相手があの宏弥。

消防士は体力の消耗も激しいのか、仕事帰りはとにかくよく食べる。

そのかわり、食事代は全て出してもらった。

割り勘ではとても割が合わない。

私は目深に帽子をかぶると、朝のウォーキングに出掛ける。

この日課だけはよほどの事がなければ欠かさない。

少々の雨なら、レインコートで歩きに行く。

「行って来ます。」

誰もいない家にそう言うと、私は颯爽と外に出た。

「今日もいい天気だ。」

私は玄関先で軽く足を伸ばすと、近くの公園に向かって歩き出す。

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