生真面目先生のちょっと大人の恋の話
あまりいつものペースを崩されたくないな。

正直にそう思ってしまった。

「どうだ、足の方は。」

吉永先生は視線を落とす。

「無理をしなければ大丈夫です。」

私は努めて平静を保ちながら答えた。

吉永先生に隙を与えてはいけない。

私は知らず知らずのうちに、吉永先生に対して身構える。

「そうか、それなら良かった。」

私がその声に振り向くと、そこにはとても優しい吉永先生の表情があった。

その表情に不覚にもドキッとする。

「俺が朝弥の身体の管理をしてやろうか?そうすればこういう怪我もなしにウォーキングも続けられるぞ。」

そう言えばスポーツ科学を研究していたって聞いたな。

「そんなに専門的にやっているわけではないので、そこまで必要ないと思います。」

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