生真面目先生のちょっと大人の恋の話
だが今はそんな事を思っている暇はない。

「吉永先生、大丈夫ですか~。」

「う~ん、朝弥…。」

このまま眠ってしまったらどうしよう。

私は吉永先生の人肌を感じる。

実はいい人なのかも、初対面であんなに疑って悪かったかな。

足の処置の恩もあるし、こんな所に置いていく訳にはいかない。

私はタクシーを止めて、何とか二人でなだれ込む。

「吉永先生、家はどこですか?」

もう何の反応もない。

何度か身体を揺すってみるけれどダメなようだ。

これは熟睡してしまった?

私は行先も告げる事が出来ず、途方に暮れる。

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