儚い絆

会社を辞めることは
つらかった。
先輩達も優しいし
仕事も任せられるようになっていた
だけど・・・
お腹は、直ぐに大きくなるし
彼に知られることはさけたい。
だから、辞めさせてもらった。



マンションを引き払い
実家に帰る日
美弥に
「話があるから
ちょっと待っていて。」
と、言われて
時間まで隼人と買い物に出かけた。

隼人が、赤ちゃんの店を見つけて
「入って見よう。」
と、言うから
「早いよ。」
なんていいながら
一緒に入った。
どれも、これも可愛くて
たまらなかった。


そんな私達を柊弥さんが
見ていたとも知らずに。


その後
美弥と合流して
三人で食事をした。

美弥から
「ねえっ、叶愛。
 翻訳の仕事をしてみない?」
と、言われた。
できるかな、と考えていると
「叶愛の英語力なら大丈夫だよ。
それに、おじさん、おばさんの負担には
なりたくないんでしょ。
近くにいれないから
こんな事しか出来ないけど
この仕事を通して叶愛とつながりできるし」

「美弥っ、ありがとう。
いつも、私の事考えてくれて。
隼人もありがとう。
二人がいたから、ここまでこれて
二人がいたから、この子を迎えることも
できるようになって
感謝してもしきれないの。」
「バカ、叶愛。
私はやりたいから勝手に
やっているだけだよ。」
と、美弥。
「叶愛は、何も気にする必要ない。」
と、隼人。
「うん、うん、二人共ありがとう。
そして、美弥。
翻訳の仕事やらせてください。
美弥に迷惑かけないように
頑張るから。」
「迷惑なんて
そんなこと、まったく心配してないよ。」
と、言ってくれた。
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