異世界トランスファ
「おい、家で盛ってんじゃねーぞ。迷惑だ」


と、ドアの方向から声がした。


救世主に思えた。


「ナギっ・・」


た、助けて欲しい。この状況から。


「あ?邪魔すんな。ガキ」


バンっ


と対抗する様にナギはドアを思いっきり開ける。


「ガキ?そのガキに先越されてんだっての」


「は?」


う、マズイ展開。心臓が変な音をたてはじめる。

ギンは首を傾げる。



「何の話だ?」


「ヒオリはもう俺が手出した」


「はああ!?」
「はああ!?」


ギンと私の声が綺麗にハモッた。

にやりと不敵に笑いながらナギが言う。


「ヒオリ、知らん顔してんじゃねえ。お前今日俺とキスしたろ」



「!!」


髪の毛が逆立つ様な感覚に襲われる。唖然として口をポカンと開けてしまった。

ギンは私のその顔に慌てて凝視している。


そして私は起きた事を思い出し顔が熱くなってきた。


かああああ///


「顔赤くなってるし。隠せない女だなヒオリは」


と、嬉しそうにニヤリなナギ。



「ヒオリ・・お前・・」


「いや、違うよ。事故・・というか・・事故」



ギンが信じられない様な顔をしている。

瞬きを何度もさせながら私をのぞき込む。


「事故?普通にしたじゃねーか」


「はあ!?あれはナギがっ・・」

「もういい。わかった」


とギンは低い声で私に言った。


すんなりと私を離し部屋から出て行った。


え?まさか、マジで怒っちゃった・・の?
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