異世界トランスファ
私は促されるまま、ナギと一緒に家に戻った。

するとリビングのソファーにギンが座っていた。



「あ・・ギン」


ドキン


昨日怒ったまま出て行って、それから口を聞いていない。


「何処行ってた?畑にもいなかったな」


「あ・・」


「何処でもいいだろ」


ナギがしらけた態度で部屋に戻ろうとした。

するとギンはナギの肩に手をかけて遮った。


「おい、ナギ。」


「なんだよ」


バキッ!!

ドサッ


ギンの拳がクリティカルヒットし、ナギは吹っ飛んだ。
焦る私だ。


「ちょ、ちょっとギンなにやって・・」

「勝手にヒオリを外出させるんじゃねえ!!あぶねえだろうが!!」


ヤバいヤバいヤバい・・

マジで切れてる。こんなに怖いギンは初めて見る。



「ああ!?ヒオリの為だったんだよ!!」


「為だろうがなんだろうが、危険に変わりねえってなんでわからねえ!!!」



どうしようどうしようどうしよう!!


ギンもナギもお互いを刺しかねない顔つきをしている。


「ギン、ごめん!私のせいなの!ごめん!」


とギンの腕を掴んだが、振り払われる。

とても力強かった。


「お前はヒオリが攫われてもいいってんだな!?」

「違う!!」

「そういう事だろ!!」

「違う!!」



私が入れる隙がない。

物凄い剣幕だ。


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