異世界トランスファ
頭がくらくらする。


私は西の王に抱かれながら空を飛んでいた。

角と翼の生えた馬が引く馬車の中で。

驚きはしない。

目の前の人がドラゴンだから。


「何か飲むか?水か果物か」


「・・・」


私は答えられなかった。


ショックが大きすぎて、脳みそが動かない。

受け付けない。

拒否してる。

ずっとまっすぐ前を見つめていた。



「一時間ほどで城に着く。ゆっくり休め」


トキワはそう言って私の頭を撫でた。

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