異世界トランスファ
「似てます」


「ん?」


私はシーツを握りしめて思った事を言った。


「出会った頃のセンリは、そんな感じで・・ずっと優しくて、なんでも味方になってくれて・・」


「ほう・・」


「だから・・・今は、誰の優しさも信じられません」



そう、信じられない。


どんなに素敵でも絆されない。


絆されたからこうなってしまった。


信じたらまた裏切られるって、心が言ってるから。



「センリに裏切られたから」


「ヒオリ・・」

王は切なそうな顔で私を見つめた。

私の口はすんなりと気持ちを吐き出す。


「私はセンリが好きでした。でも、今は一番嫌いです。一生・・嫌いです」


「そうか・・」



王はそう頷いて、立ち上がった。


「お前の気持ちは解った。でも、私とセンリは違う人間だ。それはわかっていて欲しい」



「・・・」


その答えに私は応えなかった。

例え違くても、今は誰も受け付けない。

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