異世界トランスファ
私は静かに王に身をゆだねた。

不思議な力だ。

もしかして特別な力を持っているんじゃないかな?

ドラゴンだし。

身をゆだねていると、じんわりと身体が心地よくなって、リラックスできた。



「落ち着いたか?」


「・・はい」


私がゆっくり顔を胸から離すと、そっと口づけをされた。


「そんなに慌てなくとも、お前の幸せは逃げない。ここにある」


「・・・はい」


そうなのかな?

私は頷いた。

だってそう思えたから。

この人といると安心する。

心が落ち着くから。



「私と・・一緒になって欲しい」


「ぁ・・・・」


その言葉に、ほろほろと涙がこぼれた。


え?

何?なんで、涙が出てくるの?

嬉しいのか悲しいのか驚いたのか?

勝手に出て来た。

これは、なんの涙なの?

それすらもわからないなんて。


「ヒオリ?」


優しく微笑む顔が目の前にある。


「私・・私は・・」

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