異世界トランスファ
「つ・・・」


不意にナギの方を見ると、突然しかめた顔になっていた。


「ナギ大丈夫?もしかして痛むの?」


「あ?大丈夫だ・・」


と言っているけど、めっちゃ辛そうなんですけど。

それを見てギンは立ち上がる。


「ナギ、ベッド行け」


突然の事にツムギさんも驚いた様だ。


「具合でも悪いのですか?」


「ああ、ずっと調子悪いから・・休めば良くなる」


ギンは急いでナギを抱え、ベッドに連れて行った。


「何かお薬とか・・」


「痛み止めとかあるか?」


「ええ!もちろん!お持ちしますね!」


バタバタと慌ててツムギさんは部屋を出て行った。

ベッドに寝かせられたナギは痛む部分を手で押さえて辛そうだ。


「く・・」


「寝てろ。まだ完治してねえんだから」


「ちっくしょ・・」


私はナギの頭を撫でる。


「ごめんナギ・・本当はずっと痛かったの?我慢なんかしちゃ駄目だよ」


「は?ちげえし。突然痛み出しただけだ。寝れば治る」


「馬鹿。結構重症なんだから、明日はやっぱここにいさせてもらおうよ」


「・・・あの女・・平気かよ・・」


「ああ、俺も見張ってるし。そんな悪い人間じゃなさそうだしな」


「・・なら・・いいけどよ」


凄く辛そうだ。


「無理しないで早く治そう?動いちゃだめだよ?ずっと傍にいるから」


「ヒオリ・・」


近くにあった私の手をぎゅっと握るナギ。


「頑張って」

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