異世界トランスファ
ダイニングへ行くとツムギさんが一人でぽつんと座っていた。


「あ、ツカサ。ヒオリ・・」


「紅茶でも飲もうと思ってさ。皆は?」


「何処かへ行きました」


ちょっと怒り口調だ。

まだ喧嘩中な感じね。

突っ込んだら面倒くさそうなので何も聞かないことにする。



「まったくよく飽きないよな。お前ら」


「ツカサがそれを言いますか!」



おっと、わたしの目の前で修羅場勃発ですか?

怖いんですけど。



「俺はみんなと仲良くいたいだけだよ」


「でも私たちは・・」


「誰かの一人になんかなれない。それにいつか帰るんだぞ?」



おお・・ダイレクトだなツカサさん。

私はこの状況が恐ろしいです。

逃げたい。


変なドキドキが襲ってくる。



「でも、私は・・」

「お前の気持ちは解ってる。皆の気持ちも嬉しい。でも、現実をみなきゃ」

「ツカサ」



ツカサさんはパリッとしてる。

きっとみんなの事を考えてそう言ってるんだ。

もしかしたら本当は誰かを好きなのかも知れない。

だけど、帰りたいんだ。



私とは根本が違うんだ。



「あ、あの・・私忘れものがあるので部屋に戻ります」



と私は思わず逃げ出してしまった。


ツカサさんを見ていたら自分が恥ずかしく思えてしまった。


中途半端な私があらわになっている様な気がして。


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