異世界トランスファ
「俺達も寝るか」


「え?あ、うん・・じゃあ私さセンリの部屋空いてるからそこで寝るよ」


「はあ!?」


だってこれ以上イチャイチャ出来ないよ。

傷心の二人の間にいるんだよ。

空気読んでくれギン。

と目で訴えた。


「・・・・」


ギンはしばらく黙ったままだったが


「ああぁ・・駄目!それだけは駄目だ!」


ぎゅうううっ


と抱きしめてきた。



「な、なんでよ・・わかってよ。皆一人で寝てるんだし」


「ちげー・・センリの・・」


「え?」



耳元で唸る声は、寂しそうだった。


「センリの事、思い出す・・お前」


「え?・・私が?」


「センリの布団で寝たらセンリの匂いがお前につくし、絶対嫌だ」


確かにそれはついてしまうかもしれない。


「でも朝シャワー浴びればいいし」


「お前がセンリの布団にくるまって匂い嗅いでセンリの事やっぱ好き!とか言われたら俺は立ち直れねえ」


体格のいい体がしょんぼりしている。

想像したのねそれを。


「だから駄目。俺の布団に入れ」


と強引に部屋に連れて行かれた。


「ちょ・・」


ギシ。


私をベッドに座らせ、ギンはおでこにキスをした。


「もっとしたいけど我慢する・・じゃあな」


「え?何処行くの?」


「リビングのソファーで寝る」


「え!?」


「一日くらい平気だから。いいからお前はそこで寝ろ」


そう言って部屋から出て行った。


なんだよ。

紳士かよ。


私はギンの布団にくるまった。


うん・・ギンの匂いがする。





「ぅ~~~・・眠れる訳ないよコレ・・馬鹿ギン」

ギンとの色々な事を思い出して眠れる気がしなかった。

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