異世界トランスファ
すると、掛布団を更に深く被せてきて、私も完全に潜った。

「カサネさ・・」

「・・・」



その時

ぎゅっ

と力強く抱きしめられた。


「・・・ぇ」


一瞬自分を疑った。

自分の感覚を。嗅覚も。


ギン・・の匂い。

嘘だ・・でも・・これは・・


布団の中で真っ暗で見えないけど、前に感じたのと同じ感覚だったから。


「え?・・え?・・んっ・・」


もう一度深くキスをされ、そのキスは濃厚さを増していった。


「ん・・・」

「はあ・・」


息しか聞こえない。

でも

これはカサネさんじゃない

そう思った。


私は覆いかぶさっている体を抱きしめてみた。

この逞しい身体を私は知っている。




ああ、これってやっぱり


私の大好きな人だ。

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