君がすき

透くんと空を見るのが


日課だった。


「俺空見るの好きなんだ。嫌な事とか辛い事。
全てを忘れさせてくれるから」


私も透くんと一緒だった。


突然透くんが言った。


「人って死ぬと何になると思う?」


「うーん。星かな。」


「なんでそう思う?」


「一つ一つ星は輝いているでしょ。星は沢山ある。だから死んだら皆星になって私達を照らしてくれるんじゃないのかな。」


「俺は空だと思う。死んだら空になるんだ。だって天国は空の上にあるんだよ」


透くんと話せる


透くんと会える


透くんといられる


最後の日


最後の時間に


私達はこんな話をした。


空の話。
星の話。
透くんが初めて言った
死んだらって言葉。


私は全てを覚えてる。



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