突然ですが、オオカミ御曹司と政略結婚いたします
「任せろ。毎日幸せだって実感させてやる。それに嫌だと言っても、今さら帰す気なんてないからな」
「じゃあ、返事はひとつしか用意されてなかったんじゃない」
「断る気なんてあったのか?」
「さぁ?」
おどけて見せると、彼は腕を空に伸ばして、私をさらに上へと持ち上げた。視界がぐんと高くなり、手足をバタつかせる。
「ちょっと! なに考えてるのよ!」
「生意気ばっかり言ってると、今すぐここで押し倒すぞ」
彼は、片方の口角だけをつり上げて怪しい笑みを浮かべた。久しぶりに見たその顔に、私は気後れを感じてよりいっそうもがく。
「変態! 早く下ろして。創の負けなんだから、私のお願いなんでもひとつ聞いてくれるんでしょ!?」
「下ろしても、ずっと俺のそばにいろよ。たとえ逃げても、必ず見つけ出してやるけどな。お前がいないと、もう俺はつまらなくて生きられそうにない」
そう言われると、私はなにもいえなくなった。
身代わりだと思っていた私は、彼にとって本物のシンデレラだった。
鐘が鳴って、魔法が解けたら彼女は家に帰ってしまったけど、そもそも私はそれさえもできそうにない。私を見つけた王子さまは、きっと、階段を駆け抜けて私の腕を掴みにくるだろう。だから最初から、離れないと誓う。恥ずかしいから、そっと心の中で。
fin.
「じゃあ、返事はひとつしか用意されてなかったんじゃない」
「断る気なんてあったのか?」
「さぁ?」
おどけて見せると、彼は腕を空に伸ばして、私をさらに上へと持ち上げた。視界がぐんと高くなり、手足をバタつかせる。
「ちょっと! なに考えてるのよ!」
「生意気ばっかり言ってると、今すぐここで押し倒すぞ」
彼は、片方の口角だけをつり上げて怪しい笑みを浮かべた。久しぶりに見たその顔に、私は気後れを感じてよりいっそうもがく。
「変態! 早く下ろして。創の負けなんだから、私のお願いなんでもひとつ聞いてくれるんでしょ!?」
「下ろしても、ずっと俺のそばにいろよ。たとえ逃げても、必ず見つけ出してやるけどな。お前がいないと、もう俺はつまらなくて生きられそうにない」
そう言われると、私はなにもいえなくなった。
身代わりだと思っていた私は、彼にとって本物のシンデレラだった。
鐘が鳴って、魔法が解けたら彼女は家に帰ってしまったけど、そもそも私はそれさえもできそうにない。私を見つけた王子さまは、きっと、階段を駆け抜けて私の腕を掴みにくるだろう。だから最初から、離れないと誓う。恥ずかしいから、そっと心の中で。
fin.


