禁断の恋、する?
「ごめんね、もうだいぶよくなったから大丈夫!」
いつものように明るい表情で姫花が言った。姫花が少し無理をしてるのはわかってるけど、ここは敢えて気づかないふりをしておこう。
「よし、じゃあそろそろ帰るか。立てる?」
「うん」
「あ、荷物もってやるから。貸せよ」
ゆっくりと立った姫花の鞄を、さりげなく悠斗が持って歩きはじめる。
「え、いいよ……! 悪いよ。あたし持つ」
「いいっていいって、病人は大人しくしとけ。……行くぞ」
……悠斗って本当、優しいよなぁ。
普段はふざけてることが多いから、こういうふうに優しい一面を見ると余計に心が奪われる。