禁断の恋、する?



「……そういえば」



「ん?」



「どうして悠斗はこんなところにいたの?」



ここは、夜になるとヤンキーが集まるような危ない場所で……そんなところに悠斗が用があるとは思えなかった。



なのになんでいたんだろうって気になって、そう聞いていた。



「ああ……志保(しほ)が赤ペン切らしたって言うから買いにいってたんだ。あそこのコンビニ行くの、ここ通るのが近道だろ?」



「そうだったんだ……」



志保ちゃんは、悠斗のひとつ年下の妹ちゃん。ちょうど受験生になったばかりで、悠斗と同じ高校に行きたくてがんばっているらしい。



道でばったり会うと大きく手を振って声をかけてくれる、明るくていい子だ。



悠斗、志保ちゃんに夜に出歩いてほしくなくて代わりに自分が買いにいってあげてたんだろうな……優しい。



< 71 / 125 >

この作品をシェア

pagetop